ストロベリーシェイク

「お母さん、いってきます」
私はいつも通り家を出て公園へ向かう。きっと今頃歌恋は優花や美咲とショッピングモールで遊んでいるのだろう。
寂しいかと言われたら寂しいが、これは断った自分の責任なので、特に歌恋を責めたりはしない。
そんなことを考えながら木に登ろうとすると、珍しく優真先輩が家から出てきた。
「今日、出掛けるんだ。」
珍しい。もしかしたら友達と遊ぶのかもしれない。
私はポケットからスマホを取り出し、優真先輩にメッセージを送ってみる。
『優真先輩！今日一緒に遊びませんかー？』
優真先輩はカバンからスマホを取り出す。
『ごめんね。今日は大切な用事があるんだ。また今度一緒に遊びましょう。』
……大切な用事？まさか彼女とデートとか？
ありえないよね。優真先輩は人見知りだし、友達だってそんなにいないし。
でもイケメンだし、優しいし、何気にモテるし彼女がいたっておかしくない。
「嘘でしょ……？」
私は嘘であって欲しいと願いながら優真先輩の後をつけはじめた。