ストロベリーシェイク
「歌恋……?」
優真先輩の笑顔の先には笑顔で手を振り返す歌恋の姿があった。
ーおかしい。
だって歌恋は優花と美咲と……。
別の入口から優花と美咲が話しながら出てくるのを見つけ、私はあわてて身を隠す。
「歌恋やばくない?あんなイケメンどこでゲットしたんだよ…」
「デートなんて羨ましい〜ま、邪魔しちゃ悪いし、カラオケでも行く?」
「賛成〜!!」
『デート』たしかに2人はそう言った。てことはやっぱり歌恋と優真先輩は……。
涙がこぼれそうになるのを必死に堪える。
歌恋は私が優真先輩のことを好きなのは知らない。だから歌恋は悪くない。
でも…付き合ってるなら教えてくれたって良かったのに。
立ちすくむ私の前で歌恋は優真先輩に腕を絡ませる。
やめて、やめて!
耐えきれなくなった私はその場を走り去った。
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