クールなイケメンドクターに拾われましたが溺愛されるなんて聞いてません!
一人で寝るにはあまりに広いクイーンサイズのベッド。
整えられた布団に“この人絶対綺麗好きだ……”と余裕なんてないくせに頭の片隅で呟く。
ベッドに腰かけるように優しくおろされたと思ったら、真っ暗だった室内が突然パッと明るくなった。
彼が枕元に置いてあったリモコンで操作したようだ。
えっと顔を上げ思わず身を縮め目が泳いだ。
暗かったからまだ落ち着き気味の脳内が、また暴れだす。
彼がそっと隣に腰かけてきて、わたしをじっと見つめ頭を柔らかく撫でた。
その手つきがすごく優しくて、この人は体目当てでわたしを家に泊めたんだろうけれど手荒なことは絶対しないと思えた。
こんな素敵な人とバージンを卒業できるだなんて、わたしは本当に運がよかった……。
高校生や衛生学生のときは、両思いになって一年以上付き合ってから~……なんて夢を見ていたけれど、この年になるとそんな乙女な考えはなくなっていた。
だけれど、処女であることは変わりない。
どんなことをするのかはもちろん理解しているけれど、積極的になんて絶対いけない。
打ってかわってこの人は見た目からして間違いなくモテるだろうし経験豊富そうだ。
このまま身を任せても問題なさそう……。