クールなイケメンドクターに拾われましたが溺愛されるなんて聞いてません!


「……え……?どういうこと……ですか……?」


理解できなくて、戸惑いながらゆっくりと腰をおろした。


わたしは、今日の宿泊代や、これからの食事代と交通費代を少しと、その他なにかしらの必要な購入代金を貸して頂くつもりだったのだけど……。


「ネットカフェに連泊なんて危険だ。昨夜と同じように、このままこの家に住めばいい」


「な、なに言ってるんですか……!?そんな迷惑かけられな……っ」


「家事全般をしてくれるとすごく助かるんだが」


「……!」


それなら……と納得してしまう自分が心のなかにいた。


いわば、住み込み家政婦ということだろう。


「わ、わかりました……!栂野さんがそうおっしゃるのなら、精一杯家事をやらせて頂きます」


わたしが家事をすることによって彼がこの家で快適に過ごせること以上に、自分にとってプラスがめちゃくちゃ大きい。


だって、ネットカフェで薄い壁越しに常にだれかいるという窮屈なシングル部屋、共同の狭いトイレやシャワー室で毎日を過ごすのと、この豪華なタワーマンションの一室で暮らすのとでは天と地の差……なんて言葉じゃ表せないくらいに差がある。

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