クールなイケメンドクターに拾われましたが溺愛されるなんて聞いてません!


「大丈夫だよ、ちゃんと指導もつけるから心配はいらないからね。少しずつ成長してもらえたらと思うよ」


「そうそう。最初からできる人なんていないもの。それに、直生ちゃんが連れてきた子だから安心だわ。直生ちゃん、見る目あるから」


夫人が直生先生のことをちゃん付けしていることにちょっと笑いそうになりながらも、とても優しい言葉をかけてくれるお二人に感激した。

期待に応えられるよう、ますます頑張りたいと思った。


それから、栂野歯科医院の方針等を説明され、休みや時間帯を聞き、ユニフォームとシューズのサイズなどを答えたところで面接は終了した。


コンコン

「院長、田中さんが来院しましたけど私が診ましょうか」


そのときわたしの後ろの扉が開き聞こえてきた声にドキッと胸が跳び跳ねた。直生先生だ。


「おお、田中さん来たか。わしが診るよ。面接もちょうど終わったところだ」


「じゃあ、成田さん明日からよろしくね」


「ユニフォームとシューズはそろえておくから、昼ご飯だけ持ってきてね」


わたしは立ち上がり、「はい!」と返事をした。


お二人は最後までにこやかに応接室を後にしていった。


「言ったとおりの二人だっただろう」


その二人と入れ代わるように入ってきたのは、直生先生だ。

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