クールなイケメンドクターに拾われましたが溺愛されるなんて聞いてません!
「そ、そうだ!財布、見つかったんです!」
そのことを思い出して、イスから立ち上がりカバンのなかからシャルトルブルーの長財布を取り出した。
この輝き、やっぱり最高!
「おお、交番から連絡があったのか?」
「はい。ちょうど免許センターに行く前だったので、すごくタイミングがよかったです。お金だけ抜き取られてて、道端に落ちていたのを近所の方が拾って交番に届けてくれたみたいで」
「そうか。でも、戻ってきてよかったな」
「ほんとよかったです!この財布お気に入りだったので。あ、餃子、今すぐ焼きますねっ」
今日の午前中栂野歯科医院をあとにしたわたしはまず交番へと向かい、そのあと餃子を作るための材料をスーパーに買いに行った。
帰路につき、私服に着替えて餃子をこしらえ冷蔵庫にあるもので昼ご飯を食べながらバラエティー番組を観たあと、勉強に取りかかったのだ。
数時間経ち疲れてきたころ机に突っ伏していると、いつのまにか眠ってしまってしたけれど。