アブナイ王子様たち
もし本当にそうなら、翔さんにさみしい思いをさせただろうから、謝らないと。


「ご、ごめんなさ……」


「やっぱ、いじりたいやつがいなくなるのはさみしいわ。


ひまになるしな」


えっ。


さみしいと思った理由は、いじりたい私が離れたから⁉︎


ドキドキして損した。


私のドキドキ返してよ!


もう謝る気もなくなった!


「もう、出てってくださいよ!


私の邪魔をしないでください!」


ビシッと翔さんに人さし指を突きだす。


しかし、翔さんは部屋から出ようとしない。


壁に背中を預け、腕組みをしてこちらをじっと見ている。


その目が獣のように感じて、体がぷるぷると小刻みに震えた。
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