アブナイ王子様たち
こ、怖い……!


きっと今、私は恐怖で顔を青くさせていることだろう。


そんな私を見て、翔さんがクスッと笑った。


「その顔、俺が怖いって顔だな。


大丈夫だよ、あんたの嫌がることはしないから」


とか言ってるけど……。


翔さんが背中を壁から離して、私のほうに近づいてきてるじゃん!


それでも『嫌がることはしない』って言えるの⁉︎


はっ、待てよ。


もし翔さんが『嫌がることはしない』って言っても、近づいてくるのは私をいじるためだとしたら、納得がいく。


意地悪……。


翔さんは、どれだけ私をいじれば気が済むのか。


それはきっと、明日になっても明後日になってもわからないだろう。
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