アブナイ王子様たち
その瞬間、手首にビリビリッという電気のようなものが走る。


あまりの痛さに、目をつぶるしかない。


「大丈夫!


君は可愛いから、絶対ミスコンに出られるよ!」


押しが強いな、この人。


おとなしそうなタイプかと思ってたけど。


この人にミスコンに出られると言われても、安心できない。


いまだに手を引っ張られているから。


誰か助けて……!


そう思ったそのとき、うしろから聞き覚えのある声が聞こえた。


「やめてくださいよ、強引に誘うのは」


その声が誰のものであるかを明かす前に、体が声のしたほうにかたむいた。


私の体がふわっとなにかに抱きしめられる。


「あっ、き、君は……!」
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