アブナイ王子様たち
男の人が私の手を離し、私のうしろを見て驚いた顔をする。


驚くのも無理はない。


「君はたしか、我妻グループの次男で、僕と同じ大学に通ってる……」


だって、私のうしろにいて私を抱きしめているのが、翔さんだから。


翔さん、いつの間にここに……⁉︎


私まで驚いてしまう。


「彼女、俺の連れです。


なんで、離れてもらえます?」


「は、はい、すみませんでした……!」


翔さんに離れろと言われて、あっさり離れていく男の人。


そして、どこかへと姿を消した。


うしろからふぅ、という息が聞こえてきて、はっと我に返る。


慌てて、翔さんの体を引きはがした。


「は、離れてください!」
< 149 / 642 >

この作品をシェア

pagetop