アブナイ王子様たち
やっぱり、翔さんはなにを考えているのか、イマイチわからない。


頭上に疑問符をいくつも浮かぶ。


「嘘ついたこと、私の前であるでしょう?」


「えー、俺が?


あんたに嘘ついた覚え、全然ないんだけど」


「よく言う……」


「いや、本当に嘘ついた覚えが全然ねぇよ」


ジト目で見つめる私に、翔さんが腕組みをしながら真剣な顔をする。


そんな真剣な顔しちゃって。


嘘をついたことが一度もないって言っておいて、あとで嘘ついてたってなったら承知しないよ!


頬を風船のように膨らまし、不機嫌を装う。


「もし今言ったことが嘘だったら……私、怒りますからね?」


しかし、翔さんは白い歯を見せて笑う。


「ふっ、もう怒ってんじゃん」
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