アブナイ王子様たち
私たち、恋人同士じゃないのに。


「兄貴や誠に内緒で、あんたと一緒にどこか行きたかったんだよな。


あっ、このこと兄貴たちには秘密な」


そう言って、翔さんが右手の人さし指をそっと口に当てた。


そのしぐさが色っぽくて、心臓が大きく跳ねるのを感じた。


おかしい。


翔さんの些細な言動でドキドキしてしまう。


私、もしかして……。


「内緒にしなければ、私の唇をふさぐとか言うんでしょう?」


「どうだろうな。


あんたがふさいでほしいって言うなら、ふさいでもいいけど?」


やっぱり、翔さんがなにを考えているのかわからない。


「お、お断りします‼︎」


顔が熱くなるのを感じながら叫ぶ。


私……もしかしたら翔さんのことが好きなのかもしれない。


そう思った……。
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