アブナイ王子様たち
私に対してどこまでも優しいな、叔母さんは。


まぁ、そういう優しいところが叔母さんのいいところなんだけど。


冗談でも優しい言葉をかけてくれる叔母さん。


家族を亡くした私になぐさめの言葉をかけてくれる叔母さんに、あらためて優しさを感じる。


心の中でそうつぶやいた直後、叔母さんが急に真剣な表情を浮かべて私を見つめた。


「嘘なんて言わないわ。


しかも、愛海ちゃんの両親の葬儀の日には。


私は、本当に愛海ちゃんを心配しているのよ。


だって、『来栖川グループ一家が住んでいた家がどこかに売られた』って聞いたんだもの。
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