アブナイ王子様たち
そう思いながら叔母さんをじっと見つめるが、叔母さんが真剣な目つきを私に向けたため、すぐに目をそらしてしまった。


叔母さんに真剣な目つきで見つめられたのは、今日がはじめてだ。


真剣な表情を向けられたことはあるけど、見つめられたことがないから、どんな反応をすればいいかわからなかった。


そう思ったと同時に、叔母さんの言葉が頭の中で再生された。


『愛海ちゃんがこれ以上苦しい気持ちを抱いている姿を見たくないの』


はたしてそれは、叔母さんの本音なのだろうか。


でも、今は本当なのかどうかたしかめている場合ではない。
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