アブナイ王子様たち
「へ……?」


な、なにが……?


なにに対して『ごめん』なんだろう。


主語がないと、なにが言いたいのか、まったくわからない。


頭上に、たくさんの疑問符が浮かぶ。


「な、なにが?」


そう尋ねる私に、匠くんは頭をあげて、話しはじめた。


「じつは俺……昨日、ちょっといたずらを仕掛けようと思ったんだ。


パーティー会場で用意されたジュースに、アルコールを入れるいたずらを」


ジュースにアルコールを入れるいたずら?


どうしてそんないたずらを……。


「ターゲットは最初から決めてて。


誠の兄貴と薫にアルコールを飲ませようと考えたんだ」


「誠さんと薫くんに?」


「あぁ。


悟の兄貴はもう20歳だから酒は飲めるし、翔の兄貴は、酒を飲ませたら絶対に仕返しされるし」


あぁ、翔さんなら仕返ししそうだな。
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