アブナイ王子様たち
すごいな……。


誠さんと薫くんの、日常的なクセを勉強してるなんて……。


私は、自分のことで忙しくて、人のクセなんか目に入らないよ。


「そのクセを知ってたから、俺はテーブルに置いてあったワイングラスのうち、手前側のと真ん中にあるやつに、アルコールを入れたんだ」


「…………」


「予想どおり、薫は、手前側のワイングラスを手に取って飲みはじめた。


そのとき俺は、心の中でガッツポーズしてたよ。


俺が仕掛けたいたずらに引っかかった、と思ってさ」


匠くん……いたずら好きなのかな。


引っかかった相手を見て、嬉しがるなんて。


「でもそのあと、予想外のことが起こったんだ」


「予想外のこと……?」


「……あぁ。


誠の兄貴に飲ませる予定だったアルコール入りのジュースを、お前が持ってったこと」
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