アブナイ王子様たち
薫くん……。


さすがゲーマーだな。


なんて思っていても、薫くんの話は続く。


「そしたら、こんな返事が返ってきたんだ。


『もしかしたら、お兄さんにその子を取られることを恐れてるんじゃないの?』って」


“お兄さん”というのは翔さんのこと。


そして、“その子”というのは私のことだ。


「別のゲーム仲間にはこう言われたんだ。


『その子を誰にも取られたくないっていう気持ちがあるなら、それは恋じゃないか』って。


だから俺は、あんたに恋してる」


そ、そんなはっきりと……。


真剣な眼差しで『恋してる』って言われると、心臓が騒ぐ。


胸に手を当てて、心臓を落ち着かせようとしても全然効果がない。


この胸のドキドキは……もしかして、恋?


恋、なのかな……。
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