アブナイ王子様たち
遺言と遺産
叔母さんに家に泊まったらと誘われたその日の夜。
私は、すでに実家から出された自分の荷物を運んで、叔母さんの家に来ていた。
叔母さんの家は私が住んでいた家よりだいぶ狭く、驚くほど部屋の中が散らかっていた。
来栖川グループのひとり娘として生まれたせいか、叔母さんの家に入るのに一瞬抵抗したが、必死に我慢した。
私は住む家がないし、叔母さんの家に泊めてもらう身なので、文句は言えない。
荷物をすべて家の中に入れて、中に足を踏み入れると、叔母さんが慌てて掃除をはじめた。
「ごめんね、こんな汚くて狭い家で」