アブナイ王子様たち
なつかしいな。


小さいときに、海に行ったことを思い出した。


「この海を見たら、私が小さいときに海に行ったことを思い出しました」


「えっ!


愛海ちゃん、この海に来たことあるの?」


ズコッ。


「そういうことじゃなくて……こことは違う海に行ったことを思い出したんです」


誠さん、天然だな……。


なんで、ここに来たことがあるっていう解釈になっちゃうんだろう。


不思議だな。


「あっ、そういうことか!


てっきり、この海に来たことがあるのかと……」


「違いますよ」


苦笑いではっきり答える。


はっきり答えておかないと、誠さんが、間違った情報を頭の中に入れることになる。


それは、なんとしても避けなければならない。
< 245 / 642 >

この作品をシェア

pagetop