アブナイ王子様たち
そう思っている私を尻目に、誠さんが海に向かって大きく伸びをする。


「うーん、気持ちいいな。


こうやって、女の子と一緒にここに来るのもいいもんだね」


ん?


……『女の子と一緒にここに来るのもいいもんだね』?


「誠さん……女の人と一緒に海に行ったことないんですか?」


誠さん、女の人に囲まれて海に行くイメージがあったんだけど。


「ないんだよね。


俺、女の子と海に行くこと、しないもん」


「そうなんですか……」


びっくり。


女の人と海に行ったこと、ないんだ……。


「まぁ、海って場所は、俺にとって、好きな子と一緒に行く場所っていうイメージがあるから」


「へぇ……」


好きな子と一緒に行く場所……。


誠さんにとって、それは海なんだ。
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