アブナイ王子様たち
目から涙があふれだしそうになる。


しかし。


なにを思ったのか、突然、翔さんがいつも見せる不敵な笑みを浮かべ、こんなことを言ってきた。


「その手紙、兄貴からかもしれないぜ?


もしそうだったらどうする?」


「えっ……⁉︎」


悟さんがストーカー……⁉︎


や、やだ、そんなの……。


「そ、そんなの信じたくないですよ!」


「わかんねぇぞ?


兄貴じゃなくても、誠か、薫か、匠からかもしれないぞ」


「えっ、でもさっき『我妻家以外の男に警戒したほうがいい』って言ったんじゃ……」


「たしかに言ったけど、その手紙をあんたに送ったのが誰か、まだわかってないだろ?


だったら、兄貴や誠、薫、匠の可能性も否定できないってことじゃん」


それはそうだけど……。
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