アブナイ王子様たち
「そんな気味の悪いこと、悟さんたちがすると思いますか?」


「知らね。


俺、兄貴じゃねぇし」


そ、そんな当たり前なことを堂々と……。


そこ、堂々と言うべきことじゃないと思いますよ、翔さん。


ていうか……。


「この手紙、もしかしたら翔さんが送ったものとかじゃないんですか?」


「ほー、どうしてそう思うんだよ」


「だって、私のことをずっと見ているじゃないですか。


しかも、手紙が入ってた封筒に切手が貼ってなかったし……」


チラッと、翔さんの手の中にある封筒に視線を向ける。


封筒には、私の名前が書いてあるだけで、切手が貼られていない。


気味の悪い手紙を送った人物は、私が来栖川家の別荘に住んでいることを知っていて、ここの住所をも知っていると推測できる。
< 269 / 642 >

この作品をシェア

pagetop