アブナイ王子様たち
その気持ちはおさまらない。


トゲのある言い方をしてしまったと少し後悔したそのとき、翔さんが鋭い目つきで、睨むようにこちらを見た。


「俺はそんな気持ち悪いことしてねぇぞ。


もし気味悪い手紙を書いて送ったのが俺だったら、なんでわざわざこの家のポストに手紙を入れる必要があるんだよ」


むむっ、それはたしかに……。


たしかに、犯人が翔さんなら、手紙をこの家のポストに入れることはしない。


むしろ、手紙で私を怖がらせたりしないと思う。


翔さん、睨みが怖いよ……。


そういう意味を込めて、翔さんから少し離れる。


「で、ですよね……。


じゃあ、我妻家の5人以外の誰かが、直接家のポストに手紙を入れたんですかね」


「だろうな。


その可能性は高いと思う」
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