アブナイ王子様たち
その言葉に、私はツッコまなかった。


翔さんが、もし犯人が悟さんか誠さんか薫くんか匠くんだったら、家のポストに手紙を入れたり、手紙という手段を使わないと思っているのではないかと思ったから。


「いったい誰がこんなことを……」


「わかんねぇな。


でも、しばらくは外に出ないほうがいい。


うーん……兄貴たちと相談して、気味の悪い手紙が送られないようにしないといけないな」


「はい……」


気味の悪い手紙が二度と来ないようにすること。


それは、外に出てはいけないことだと思う。


でも、悟さんたちに話さないと、対策はあきらかにならない。


「とりあえず、その手紙は俺が処分する。


あんたはひとまず、部屋で休んでろ」


ここは、翔さんの言葉に甘えよう。
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