アブナイ王子様たち
そんな叔母さんに、私は満面の笑みを浮かべた。


「私は今夜ここに泊まる身ですから、ゴミ拾いを手伝わせてください。


それに、叔母さんにお礼がしたいので」


そう。


私は、いつも叔母さんになにかをしてもらってばかりだった。


だから、叔母さんの家にいる間、少しずつお礼をしようと思っていたのだ。


「ふたりでゴミ拾いをしたら、掃除はすぐに終わるでしょう?


だから、部屋に散らかっているものを片付けちゃいましょう!」


袖を肘までまくり、髪をひとつにまとめる。


掃除をする気満々の私をしばらく呆然とした顔で見つめたあと、叔母さんが口角を上げた。
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