アブナイ王子様たち
それをはっきりさせてくれないと、勘違いしちゃうよ?


私のことが好きじゃないか、って勘違いするよ?


心の中でそう問いかけても、匠くんに届くわけがない。


なんて思っていると、突然、匠くんが私にこんなことを言ってきた。


「……愛海って、好きな男いんの?」


「へ……っ⁉︎」


な、なに急に……!


「な、なんでそんなことを言うの?」


やばい、ちょっと声がうわずった!


動揺してることが匠くんにバレる……!


「なんとなく」


なんとなくって。


そんな冷静な表情で『なんとなく』って言われるとは思わなかった……。


「え、えーっと……」


そっと、匠くんから目をそらす。


匠くんに表情を読みとられたくないから目をそらしたのに、匠くんは私の行動を見逃さなかった。
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