アブナイ王子様たち
「えぇ、片付けちゃいましょ!」


叔母さんも袖をまくり、私に力こぶを見せる。


そこから、床に散らばったすべてのゴミを拾い集めるのに、そんなに時間はかからなかった。


足の踏み場がないほど散らかっていた部屋は、新居のようにきれいに片づいた。


額から流れる汗を手の甲でぬぐい、自分の荷物を移動させる。


「ありがとね、愛海ちゃん。


ゴミ拾いを手伝ってくれて」


「いえいえ。


泊まる身としては当然のことをしただけです」


叔母さんが、脱衣所から持ってきたタオルで汗をぬぐいながら私に笑顔を見せる。
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