アブナイ王子様たち
その単語を聞いた瞬間、顔が熱くなる。


「な、なんで私が、翔さんにキスされなきゃいけないんですか!」


「いいから、黙って言うこと聞け」


翔さんが鋭い目つきを向けてくる。


うっ……。


この鋭い視線にはかなわない……。


仕方なく、翔さんの言うことを聞く。


「……わかりました」


「よし、じゃあ、目をつぶってろ」


その言葉が聞こえてから、そっと目をつぶる。


壁にくっついている背中に汗が流れるのを、嫌でも感じる。


汗が、服に染み込んでいく。


その直後、唇にやわらかな感触が襲ってきた。


私にとっての、二度目のキスが、今ここで奪われてしまった。


だが、ファーストキスを奪われたときとは違う感情が芽生えていた。


あったかい……。


私の唇をふさぐ翔さんの唇が、とてもあたたかく感じる。
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