アブナイ王子様たち
唇があたたかいだけじゃない。


このまま時間が止まればいいのに、とも思った。


おかしい。


どうしたんだろう、私。


ファーストキスを奪われたときは、まさか奪われるなんて、と思っていたのに。


なんで、キスの時間が長くなれって思ってるの?


私……どこかがおかしくなったのかな。


なんて思ったとき、私の唇をふさいでいた、あたたかい感触が離れた。


それに対して、なぜか名残惜しさを感じる。


なんで名残惜しさが……。


と、突然、首筋にチクッと痛みが走る。


「ん……っ」


痛みを感じたのは一瞬だけだった。


首筋に刺さった痛みが、気持ちよく感じたから。


やっぱりおかしい。


翔さんに対する気持ちが『好き』と確信しているわけじゃないのに……。


そう思いながら、翔さんの首に腕をまわす。
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