アブナイ王子様たち
だけど、5人についていくと言わなければよかったなぁ。


だって……。


チラッと、自分が着ているものを見つめる。


人生で一度も着たことがない、ビキニの水着。


下はフレアのミニスカートだが、こんなに露出したものを着るのは、はじめてだ。


こんなの恥ずかしいよ……。


胸の谷間とお腹を見せたくないので、薄手のパーカーを羽織っている。


私がパーカーを脱がないことに、悟さんたち5人は気づいていない。


それには、ほっと安堵の息を漏らす。


「ひゃほーっ!


海で遊びまくるぞー!」


そう叫び、海に向かって走りだす誠さん。


テンション高いなぁ。


誠さんには、こういうにぎやかな場所が似合っている。


それとは反対に、薫くんはパラソルをさしたビニールシートの上で、携帯ゲームをしている。
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