アブナイ王子様たち
胸に手を置きながら、階段を下りる。


それからすぐに、キッチンに着いた。


と、そのとき。


ガラガラガラガラッ!


キッチンの向こうのリビングからそんな音が聞こえてきて、思わず体を震わせた。


な、なに、いったい。


大きなもの音の正体を知るため、リビングに顔を覗かせる。


リビングにいたのは、予想だにしていない人物だった。


「あ……愛海……おはよう」


「匠くん……⁉︎」


なんと、リビングにいたのは、学校に行っているはずの匠くんだった。


「な、なんで家にいるの?」


今日は平日だから、学校に行かなきゃいけないんじゃないの?


私の疑問に、匠くんが口に片手の拳を当てながら答える。


「じつは俺、風邪ひいちゃって……」


嘘!


匠くん、風邪ひいていたの⁉︎


全然気づかなかった……。
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