アブナイ王子様たち
うぅ〜……。


頬を少し膨らませることしかできない。


「あんたが、風邪薬は買ってきたかって、聞けばよかったんだろ。


つまり、あんたが悪い」


はぁ⁉︎


なんで私のせいになっちゃうの⁉︎


意味わかんない!


「わ、私のせいじゃありません!」


「はいはい」


も〜……。


ちゃんとわかってるのかな。


翔さんは、私をからかって、私のせいだと言っているのだろう。


そう思った直後、翔さんが、バッグからいくつかの食材を取りだした。


「よし、じゃあ、匠が食べるおかゆを作るか」


「わ、私になにかできることは……」


「あんたは押し入れの片づけをしろ」


うぅ……。


「……わかりました」


小さくうなずき、押し入れの片づけをはじめる。


その間、考えていたことはただひとつ。


それは、匠くんが私を好きでいたこと……。
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