アブナイ王子様たち
部屋のドアをノックし、中に入った。


部屋の中には、ベッドでぐっすり寝ている匠くんの姿がある。


その姿を見てクスッと笑いながら、匠くんの机の上におかゆを置く。


そして、おかゆを置いたところの近くにメモ用紙があるのを見つけ、メモを書いた。


【匠くん。


悟さんが、匠くんのためにおかゆを作ってくれました。


食べられるぶんだけでいいので食べてね。


元気になってくれることを祈るよ。


愛海】


書いたメモをおかゆのすぐ隣に置き、匠くんをチラッと見る。


まだスヤスヤと寝ている。


「……風邪、早くよくなるといいね」


自分でも、聞こえるかどうかわからない小さな声でつぶやいたあと、匠くんの部屋をあとにする。


これで、5人への恩返しができたと思う。


これからも、5人と一緒に暮らせたらいいな。


そう思えた一日だった。
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