アブナイ王子様たち
そんなこと……。


薫くんにとって、ゲーム以外のことは、どうでもいいことなんだね。


まさにゲーマーだ。


「そ、そっか。


ごめんね、ゲームがやりたかったのに、翔さんのこと聞いちゃって。


今日一日、薫くんの邪魔にならないように、出かけてくるね」


ゲーム以外のことがどうでもいいなら、私のこともどうでもいいんだよね。


ちょっと傷ついちゃうけれど。


そう思いながら、薫くんの横を通りすぎる。


と、そのとき。


突然、腕をパシッと掴まれた。


私の腕を掴んだのがいったい誰なのか、言わなくてもわかる。


おそるおそる、顔をうしろに向ける。


私の目に映ったのは、ちょっと焦った様子の薫くんだった。


なにをそんなに焦ってるんだろう。
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