アブナイ王子様たち
黙り込む私を尻目に、薫くんが言葉を続ける。


「……なぁ、どこに行くつもりだよ。


言ってくれないと、俺、安心できない」


安心できない?


じゃあ、薫くんを安心させるためには、どこに行くかを言わないとダメってこと?


うーん……でも、まだ行き先が決まってないんだよね……。


しばらく、行き先について考えてみる。


十数秒後、ある場所がパッと頭の中に浮かんだ。


「ゆ……遊園地!


遊園地だよ!」


「は?」


「だから、遊園地に行こうと思ってるの!」


なぜこのタイミングで、遊園地という言葉が出てきたんだろう。


不思議でしかない。


「ひとりで遊園地に行く気?


しかも、その格好のまま?」


うっ……。


冷や汗を流しながら、自分の服装を見る。
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