アブナイ王子様たち
うーん……それは否定できないな。


悟さんは鈍感だし、平然と嘘をついても、すぐに疑う性格じゃないから。


「……そうですね。


悟さんには、誰かに水をかけられたって言っておきましょうか」


すると、翔さんが少し驚いた顔をした。


「あれっ。


あんた、素直に俺の提案受け入れたな。


俺のこと好きかって聞いたときは、あんなに否定してたのに」


そ、その話、今持ってくる⁉︎


今は関係ないじゃん。


「ほ、ほっといてくださいよ」


「……ふっ、可愛いやつ」


「な……っ、か、可愛くないですから!」


翔さんとそんなやりとりをしながら、悟さんが待つ家に向かう。


翔さんと一緒に家に向かうこの時間が、とても短く感じられた……。
< 495 / 642 >

この作品をシェア

pagetop