アブナイ王子様たち
いかん、翔さんに寒いんだと思われてしまう。


首を左右に振って、自分にそう言い聞かせる。


と、そのとき。


「洗濯ものは俺が干すよ。


あんたは部屋で休んでろよ」


リビングにいたはずの翔さんが、私の手の中にある洗濯ものを奪い取った。


「し、翔さん……」


私、本当に大丈夫だから……。


洗濯ものを干せないほど、寒いわけじゃないよ?


「いいですよ、私がやりますから……」


だから、リビングに戻って……。


そう言おうと思った直後、グラッと体がうしろにかたむいた。


「おおっと、あぶねっ」


ポスッ。


うしろに翔さんがいたおかげで、仰向けに倒れることはまぬがれた。


私も危ないと思った。


翔さんがいなかったら、頭から倒れて、頭をケガしていたかもしれない。
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