アブナイ王子様たち
長男の気持ち
「うーん、おいしい!」
体調がすっかりよくなり、元気になってから数日がたったある日。
私は、ひさしぶりに叔母さんの家に来ていた。
「よかった。
ご近所さんのおすそわけでスイカをもらったんだけど、私ひとりじゃ食べきれなくてね……」
叔母さんが安心した様子でそう言う。
叔母さんの家に顔を出そうと思ったのは、風邪が治った翌日のこと。
悟さんにこう言われた。
『愛海ちゃん、いつもお手伝いさんとしての仕事をしてくれて、ありがとね。
今日からしばらくは、俺たち5人が自分たちのことをするから、愛海ちゃんはどこかで遊んでいきなよ』
ということで、どこかに遊びにいこうと決めた。
ただ、所持金がなく、バイトもしていないため、行く場所を決めるのに時間がかかった。