アブナイ王子様たち
ストーカーからの視線
夏の暑さが少しだけやわらぎ、さわやかな風が吹くある日。
悟さんの告白を聞いてから数日後のこの日、またしてもポストになにかが届いていた。
「まただ……」
ポストの中に入っていたのは、数日前と同様、大量の手紙だった。
家に入り、大量の手紙を持ちながら自室に戻る。
ベッドの上に、持っていた手紙を全部置き、ひとつずつ見ていく。
封筒の色はバラバラ。
赤色のものがあれば、白や黒、濃いピンク色のものもある。
共通しているのは、封筒全部が無地であることと、あて名が私であることだ。
これらがいったいなにを表しているのか、私にはわかる。
ストーカーからの気持ちが載せられた、気味の悪い手紙だ。
ベッドの上に置いた手紙のうちのひとつを手に取り、おそるおそる封筒を開ける。