アブナイ王子様たち
「い、いや……」


逃げたい。


ストーカーが追いかけなくなるまで、どこまでも逃げたい。


【近いうちに、愛海ちゃんを奪いにくるよ。


楽しみにしててね】


そのメッセージが届いた瞬間、心の中に抱いてる気持ちが爆発した。


「もうやめてぇぇっ‼︎」


スマホを砂利の上に落とし、両手で頭を抱える。


奪いにくる……?


近いうちに……?


ストーカーが奪いにきたら、私は、ストーカーのものになるの……?


嫌だ。


私の気持ちを脅かす存在のものになんて、絶対になりたくない……!


私が頭を抱えて叫んだことで、翔さんと誠さんと薫くんと匠くんが気づく。


「あんた、大丈夫か⁉︎」


「愛海ちゃん、どうしたの⁉︎」


「顔色、すっげぇ悪いけど……」
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