アブナイ王子様たち
「なんかあったのか?」


当然4人は、私が叫んだ理由を知らない。


再び砂利に視線を落とし、ガタガタと体を小刻みに震わせる。


その直後、薫くんが、砂利の上に落ちた私のスマホを拾いあげた。


「……なんだ、これ」


私のスマホの画面を見て、顔をしかめる薫くん。


どうやら、ストーカーからのメッセージに気づいたらしい。


「薫、どうしたの?」


「これ……ストーカーからじゃね?」


薫くんが、誠さんに私のスマホの画面を見せる。


誠さんの顔から血の気が引いていく。


「嘘……」


誠さんが青ざめるのは当然だ。


誠さんは、好きな女の子に命を脅かすようなメッセージを送る人じゃないから。


それは、翔さんも薫くんも匠くんも。


悟さんだって同じだ。
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