アブナイ王子様たち
おそるおそるといったふうに、そうつぶやいた。


すると翔さんが、私の耳に息を吹きかけるようにささやいた。


「わかってるよ。


でも今は、あんたから離れたくない気分」


「ひゃ……っ」


み、耳がくすぐったい。


それに、ドキドキをさらに加速させるような胸キュンワードが出てきた。


翔さんって、こんなにデレデレするキャラだったっけ?


キャラが崩壊したんじゃ……。


「く、くすぐったいです……」


「なに?


全然聞こえないんだけど」


な……っ!


絶対に嘘だ!


確信犯だ!


私が翔さんに対してドキドキしてることを知っていながら、もう一度答えを求めるなんて……。


翔さん、あなたは罪な人ですね。
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