アブナイ王子様たち
我妻家の別荘の近くの海で泳いだあと、翔さんは私にそう言った。


まさか、その言葉が現実になるなんて。


「翔さん……」


「なに?」


「どうして、ここにいるってわかったんですか?」


私と紀野くんは、ここにいるっていうメッセージを送ってないはず。


それなのに……。


「あぁ、それは推測だよ。


あんたがさらわれたって話は近所の人から聞いたけど、誰かを閉じ込めるなら、こういう廃墟みたいなとこが、一番無難な考えかなって思ったんだよ」


推測で当てるとは……。


翔さん、勘が当たってるよ。


すごい……。


「そうなんですか……」


「感心してる場合か。


あんた、あの男に襲われそうになったんだろ?」


はっ、そうだった。
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