アブナイ王子様たち
ガチャッという音が耳に響くのを感じて、視線を上にあげると、そこにいたのは悟さんだった。


「悟さん……!」


ちょうどよかった。


悟さんが部屋まで来てくれたなら、今話そう。


「あの、悟さん……」


「なに?」


「私、高校に通うべきなんじゃないかと思うんですけど……」


「いや、通わなくていいよ」


は?


通わなくていい?


「ど、どうしてですか?」


「愛海ちゃんにはここのお手伝いさんをしてもらおうと思って」


お手伝いさん?


この家、もともと私のお父さんが買った別荘なんですけど……。
< 72 / 642 >

この作品をシェア

pagetop