好きって言ってよ、ばか。

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「………り」

何、なんかうるさいな…。

「……かり」

とてつもなく耳障り。

目の前にあったケーキの山がみるみる遠ざかっていく。
ああ、ショートケーキが!!!
モンブランが!!!
アップルパイがぁ!!!


「明梨!!」


「何よ、まだ食べてないのに!!!……って、え?」

目の前にあったのは、ケーキではなくて1人の男の子の顔だった。

「何寝ぼけてんだよ…」

呆れた顔で私を覗き込むのは、五十嵐律。
とある事情があって、私はこいつの家に住まわせてもらっている。
親はいない、もう2人とも他界しているから。

「何の夢見てたの?」

もう、そんなニヤニヤした顔で聞かないでよっ。

「ショートケーキとか言ってたけど?」

「ッそうだよ!あんたが起こさなければ食べれたのに…」

いかん、悲しくなってきた。
ほんと夢ってそう上手くいかないよね。

「なんだ、起こさなくて良かったんだ。もう7時半だけど?」

一気に眠気が吹き飛ぶ。

「えっ嘘!?マジ!?」

「マジ。ほれ、時計」

目の前に突き出されたのは、7時32分を指した時計で。

そして、眠気が覚めたと同時にもう一つのことが頭を占めた。



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