好きって言ってよ、ばか。
「り、律……!!」
笑みを浮かべてこちらを見つめる顔。
うそ、待ってどゆこと?
私は2組、優妃も2組、律も2組。
みんな同じクラスってこと!?
「ちょっと明梨、重い」
波に押されて、思いっきり律に寄りかかってしまっていた。
「うわ、ごめん……っていうか、明梨って呼ばないで!バレるでしょ!」
「さっき明梨も律って呼んだよ」
ヒソヒソ声で会話する私たちを、優妃がどこか寂しげな顔で見ていることに気づく。
やば…。
「じゃ!」
さっさと律から離れ、優妃の元へと駆け寄る。
「やったね!律と同じクラスじゃん!」
「う…ん。良かった!」
ちょっぴり浮かんでいた寂寥を覆い隠すように笑う優妃。
胸がツキンと痛む。
私が律と関わる機会が増えたら、お互いこういう思いをすることが多くなるんだ。
私も苦しいし、優妃もきっと苦しい。
律とはあんまり、喋らないようにしなきゃ……。
「でも、明梨と同じクラスなのが1番嬉しい」
うっわ、かわいいよ優妃!!
「わ、私もだよお……!」
がばっと優妃に抱きつく。
うんうん、優妃は十分律とお似合いだ。
2人を全力でくっつけよう!
意気込む私を見て、優妃が首を傾げた。
「いや、なんでもないよ!じゃーあ早速教室行こうか!」
妙にテンションが高い私と、呆れたように笑う優妃。
不思議な二人組を、周りはやっぱり不思議そうな顔で見ていた。