好きって言ってよ、ばか。
……り。


あかり……。



誰かが名前を読んでいる。



誰だろう……。

お母さん?
お父さん……?


私の名前……


おぼえててくれたの?



「明梨……、はーだめだ起きない…」



心地のいい微睡みの中で、胡乱とした意識の中で、おでこに柔らかい熱が触れた。


「……大丈夫」


だいじょう、ぶ?


「明梨は、俺が守るから」


誰……?

り、つ………?


微かにそう認識すると、私は今度こそ深い眠りに落ちていった_____。


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