好きって言ってよ、ばか。
「そんなことないけど…、バスケなんてほぼ男子の観戦じゃん!」

「あー、まあねぇ……」

自分が出る試合以外の時は、基本フリーになる 。
その隙を狙って、男子の試合を観に行く女子が多いのだ。
好きな人の試合とか、特に見てたい子が多いみたい。

「律、バスケ上手いもんねえ」

ちょっとからかうつもりで言ったのだが、こともあろうに優妃はニコニコしている。

「うん!運動できる人ってカッコいいよね〜」

「そ、それはそうだけど」

むう〜、もう妬けるよ律!!
こんなにも優妃の心を独り占めしやがって!

「あ、みんな移動し始めたよ。行こ?」

「うあ待って、私まだ卵焼き食べてな」
「じゃああたしがもらうっ」

ええ!

と思う暇もなく、優妃に摘まれた卵焼き。

「ん、おいひい〜」

いたずらっ子のように笑う優妃を、私はやっぱり可愛いと思ってしまうのだった。
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