好きって言ってよ、ばか。
きゃあああああ!!

という一際大きな歓声が上がった。


うわあ耳キンキンする・・・、みんな元気だなぁ・・・。


男子コートに来たものの遠い目で見ていると、隣で見ていた女の子たちの会話が聞こえた。

「やばぁい律くん超カッコいい〜」
「律くんもカッコいいけど、やっぱ伊織くんもカッコよくない?」
「ああ〜ツートップ〜!!」
「うちのクラスほんと顔面偏差値高いよね〜」


・・・伊織くんて、誰。


顔と名前がまだ一致していない私。

覚えるの、昔から下手なんだよな。


伊織って、名字?名前?

あ、でも名字だったら、五十嵐(律)の前に座ってたはずだよね。
そんな人いなかった気がするから、名前かな。

綺麗な名前だなぁ、私結構そういうの好き。


「ねえ優妃、伊織くんてどれ?」

頰をほんのり染めながら、目で律を追っている親友に声をかける。

「え、伊織くん?伊織くんはー、、あのーあれだよ、今律くんのことディフェンスしてる人」

ええと、律がどこかわからん……。


「あ、律…」

うん、一際上手いから見つけられた。
バスケ部でもないのにバスケ上手いんだよね。



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