好きって言ってよ、ばか。

でなに、ディフェンスしてる人?


・・・。

・・・カッコいいな普通に。

少し茶色がかった髪。
前髪が目にかかるのか、ちょんまげにしてピンで止めている。
切れ長でしゅっとした目。
律よりも身長がちょっと高いかな?

「なに明梨、伊織くんのこと知らなかったの?」

「うん……、カッコいい人だね」

確かにカッコいい。


でもチャラそう……。


「結構女遊びしてるみたいよ?でもモテるからさ、それでもいい女の子もいっぱいいるんじゃない」

噂だけどね、と付け加えると皮肉げに笑う。
律くんはそんなことしないでしょ、と言いたげだ。

うーん、確かに律は女の子には一途な気がするなぁ。
想像だけどさ。


あ、そうだ今日あたりにでも聞いてみよう!

言うて兄妹みたいな仲だし!
どうやって聞きだそうかな〜とぼーっと考えていたら、


周りの視線に気づかなかった。


「明梨!!」


目の前にボールが。

叫ぶ暇もなくボールで視界が埋まって、


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